坂道の途中で出会ったおばさん、
毛穴という毛穴から汗を噴き出させながらしゃべりかけてきた。
「こういう所(うちの周りは緑だらけ)で子ども育てるといい子になるわよ〜。うちなんてレスキュー隊3回よ。」
「は?」
おばさんはそれまで都心に住んでいて、子どもが小さい時にコンクリートの壁に挟まったりなど、レスキュー隊を呼ぶ様な事故が3回もあったらしい。
1回目の話で坂の上に着き、その後も止める気配はなく、
レスキュー隊、あと2回分もつきあった。
子どものために引越は3回、住宅ローンも3回組み直したそうだ。
私は、彼女の話を延々聞かされている住宅ローン担当の銀行員を想像し、
涙した。

050519