その夜、何度も悪夢で目が覚めた。
胸が重く苦しく、怖いような不安なような、
とにかく嫌な心持ちが長く続いた。
もう寝るのはやめて起きようかなと思ったところで、
イリエちゃんがすっと近寄り、マッサージしてくれた。
寝たまま肩をほぐしてくれようとしたのだけれど、
ちょっと触られるだけでもあまりにも痛い。
糸が切れたかのように号泣してしまった。
ひどい泣きように、イリエちゃんが笑いながら言った。
「お前、プロに行くのか?」
数時間前に一緒に見たテレビで、
甲子園で号泣した高校野球の選手が、「泣くのを我慢するのは容易かったが、明日から気持ちを切り替えてプロに行くために泣いた」と言っていたからだ。
痛いけど、笑い、気がつくと、
私の泣き声で起きてしまった小春と夏乃が、
両肩にぴとっと顔をくっつけて微笑んでいた。
ほぐされて眠った。

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