友人たちが遊びに来た日、
夏乃はレバーペーストとクリームチーズを山のように食べた。
みなが驚くのが嬉しくて調子に乗っていたのだろう。
友人たちが帰る時、夏乃はお見送りすらできず、お腹が痛いとトイレで号泣していた。
うかつすぎる。
泣いてる夏乃を見ながら思い出した。
子どもの頃、次から次へとたくさん食べているとばあちゃんやじいちゃんから
「雨風(あめかぜ)やな」と言われた。
雨と風がいっしょになるくらいむちゃくちゃに食べるという意味だったのだろうが、
アホな子どもはなぜかその響きが誇らしく、
その言葉を聞きたくて無理しても食べまくった。
…雨風。

110717