週末、小春の小学校での最後の運動会だった。
小春は、何日も前からやる気にあふれていた。
ゴールした子を並ばせる係になれたと喜んでた。
本番は真面目にでもとても楽しそうに働いていた。
リレーの選手に選ばれた。
「今までなりたいと思ってなかったけど、1年生からずっと選ばれてたのに、
4年生の時初めて補欠になっちゃってすごく悔しかった。だから今は嬉しい」
そう言っていた。
100メートル走は出遅れたけど走り方きれいだった。
騎馬戦では、騎手に立候補。さらに大将を目指したらしいがなれなかったと残念そうだったが、
本番では2回戦とも秒殺で帽子とられるポンコツぶりが微笑ましかった。
小春の注文通りに作ってあげたお弁当もそこそこに、
迎えに来た友達とキャッキャと席に戻って行った。

最後の運動会って親が泣けちゃうって噂だったけど、涙は出なかった。
大人になっていく小春が頼もしかった。
なんか、あの子、いい子だ。

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