嘘
「ねぇ、ねぇ、田中君、女子トイレの『大』のマークの事、知ってた?」 レストランで席に着くやいなや、待ちきれなかったように入江ちゃんが聞いた。 「???」聞かれた田中君も奥さんのまっきんもポカンとしてた。 私もびっくりした。だって、それ1週間前に私がついた嘘だ ...
続きを読む
「ねぇ、ねぇ、田中君、女子トイレの『大』のマークの事、知ってた?」
レストランで席に着くやいなや、待ちきれなかったように入江ちゃんが聞いた。
「???」聞かれた田中君も奥さんのまっきんもポカンとしてた。
私もびっくりした。だって、それ1週間前に私がついた嘘だもの。
スーパーでトイレから戻って来た私に、入江ちゃんが「遅い!」って言ったから、
「女子トイレは大と小に分かれてるから、おしっこの人は結構並ぶんだよね。」
って、しょうもない事を本気でだますつもりもなく言ったのだ。
嘘は流れ出すと止まらない。
「え?ホント?どんなマーク?」
「え〜〜場所によって違うけど、ここのは人が座ってるマークが『大』の方にだけついてたかなぁ。」
「必ず分かれてるの?」
「小さい所だと分かれてないけど、これくらいの規模の店は大抵…。」
飛んで来る様々な質問に、少し面倒くさそうに、だけど的確に答えていった。
「今まで知らなかったの?男の人って案外知らない人多いのかなぁ。」
「知らないよ!絶対!え〜〜ショックだな〜、オレ結構何でも知ってる方だと思っていたのにな〜」
「今度田中くんに聞いてみれば?まっきんと仲いいからきっとそんな話もしてるんじゃない?」
確かに私が言った。
そしてその事をすっぱり忘れてた。
ごめんね。

レストランで席に着くやいなや、待ちきれなかったように入江ちゃんが聞いた。
「???」聞かれた田中君も奥さんのまっきんもポカンとしてた。
私もびっくりした。だって、それ1週間前に私がついた嘘だもの。
スーパーでトイレから戻って来た私に、入江ちゃんが「遅い!」って言ったから、
「女子トイレは大と小に分かれてるから、おしっこの人は結構並ぶんだよね。」
って、しょうもない事を本気でだますつもりもなく言ったのだ。
嘘は流れ出すと止まらない。
「え?ホント?どんなマーク?」
「え〜〜場所によって違うけど、ここのは人が座ってるマークが『大』の方にだけついてたかなぁ。」
「必ず分かれてるの?」
「小さい所だと分かれてないけど、これくらいの規模の店は大抵…。」
飛んで来る様々な質問に、少し面倒くさそうに、だけど的確に答えていった。
「今まで知らなかったの?男の人って案外知らない人多いのかなぁ。」
「知らないよ!絶対!え〜〜ショックだな〜、オレ結構何でも知ってる方だと思っていたのにな〜」
「今度田中くんに聞いてみれば?まっきんと仲いいからきっとそんな話もしてるんじゃない?」
確かに私が言った。
そしてその事をすっぱり忘れてた。
ごめんね。
