「カァー!カァー!」「カァー!カァー!」
「ワン!ワン!」「ワン!ワン!」
いつも小春と二人、掛け合いをしながら歩く。
だけど、人とすれ違う時、たまに小春はそちらに目が行き、
言い返さない事がある。
私の声だけ、哀しく残される。

『子どもの笑い声』という後ろ盾をなくした時の、
大人のおどけた声ほど、聞き苦しいものはない。

060222